『使う』蓄電池へ 系統用蓄電池で、
余った電力を“逃がさず貯めて、価値に変える”
系統用蓄電池事業を、構想から運用までワンストップで支援します。
蓄電所の事業用地探しから、系統用蓄電池の選定・調達・設計・施工、電力会社との調整や補助金申請のサポートまで対応。
系統用蓄電池を活用し、これまで捨てられていた電力を効率よく活用する、新しい環境ビジネスを始めてみませんか?
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系統用蓄電池とは
About Grid-scale battery
系統用蓄電池は、電力系統(通称:系統)に直接接続される蓄電池設備です。
電力需要と供給のバランス調整や、再生可能エネルギーの出力変動への対応など、電力の安定供給を支える役割を担います。
近年では、電力市場を活用した運用が進み、社会インフラとしての役割に加え、事業としても注目される存在となっています。
電力系統とは
発電所でつくられた電気を、送電線・変電所・配電設備を通じて、ご家庭や商業施設、企業、工場などへ届ける電力ネットワークのことです。
この電力ネットワークは、通称「系統」と呼ばれています。

発電所・工場・学校・オフィス・住宅など、あらゆる場所が同じ電力系統につながり、電気は一つのネットワークとしてやり取りされています。
系統用蓄電池は、蓄電池単体で蓄電・売電が可能
系統用蓄電池は、電力系統に直接接続することで、大型蓄電池単体でも、電力系統から電気を受け取り「蓄電」し、貯めた電気を「放電」して電力系統を通じて売電することができます。
また、系統用蓄電池に太陽光発電や風力発電などを併設し、再生可能エネルギー発電所で発電した電気を蓄電する運用も可能です。

系統用蓄電池は、電力を「つくる設備」と「使う設備」の両方と接続でき、電力の流れを柔軟にコントロールできる点が特長です。
系統用蓄電池のビジネスイメージ

※ 系統用蓄電池事業では、アグリゲーターが市場取引・運用制御を担います。
アグリゲーターとは?
アグリゲーターとは、「集める」を意味する「アグリゲート(aggregate)」から生まれた言葉です。
系統用蓄電池事業においては、事業者に代わって蓄電池の充放電を最適に制御し、電力市場での取引を行う役割を担います。
複数の市場や系統状況を踏まえながら、電力の需給バランスを調整し、収益機会の最大化を図ります。
電力価格の差を活かす― 昼に「貯めて」、夜に「供給」
収益獲得手段①
スポット市場(アービトラージ)
日本卸電力取引所(JEPX)を通じて、電力価格の時間帯差を活かしたアービトラージ取引を行うことで、系統用蓄電池による収益獲得が可能です。
電力価格が安い時間帯に市場から電力を購入し、蓄電池に充電。電力需要が高まり価格が上昇する夜間帯などに放電・売電することで、取引電力量と市場価格の差を収益として得ます。

電力価格が安い昼間の時間帯に電力を『購入』して『蓄電』し、
電力価格が高くなる夜間帯に、貯めた電力を『放電』して『供給・販売』します。
電力需給を支える「調整力」で収益を得る
収益獲得手段② 需給調整市場
需給調整市場は、電力の需要(使われる量)と供給(発電される量)をリアルタイムで調整するための市場です。
一般送配電事業者は、エリアを超えた広域的な市場から必要な調整力を調達し、電力系統の安定運用を図ります。
系統用蓄電池は、市場からの要請に応じて蓄電池に貯めた電力を放電・供給することで報酬を得ます。
広域的な調整力の活用により、より効率的で安定した電力需給の運用が実現されます。
広域的な市場からの調整力の調達
※一般送配電事業者は、エリアを超えた広域的な市場から調整力を調達します。


系統用蓄電池は、広域的な需給調整の一部として活用されます。
需給調整市場で取り扱う商品
横にスクロールできます
| 一次 調整力 (瞬時の需給変動に対応) |
二次 調整力① (短時間の需給調整) |
二次 調整力② (一定時間の調整) |
三次 調整力① (計画外変動への対応) |
三次 調整力② (需給の安定化対応) |
|
|---|---|---|---|---|---|
| 指令・制御 | 極短周期 成分 GF機能 |
短周期 成分 LFC機能 |
長周期 成分 EDC機能 (比較的 早い応動) |
長周期 成分 EDC機能 (比較的 遅い応動) |
GCまでの 再エネ予測誤差 に対応 |
| 指令間隔 | - (自端制御) |
0.5〜数十秒 | 数秒から 数分 または5分 |
数秒から 数分 または5分 |
30分 |
| 入札 時間単位 |
3時間 | 3時間 | 3時間 | 3時間 | 3時間 |
| 応動時間 | 10秒以内 | 5分以内 | 5分以内 | 15分以内 | 60分以内 |
| 継続時間 | 5分以上 | 30分以上 | 30分以上 | 3時間 | 30分 |
| 最低 入札量 |
1MW | 1MW | 1MW | 1MW | 1MW |
| 刻み幅 (入札単位) |
1kW | 1kW | 1kW | 1kW | 1kW |
出展:一般社団法人電力需給調整力取引所「需給調整市場かいせつ資料」「需給調整市場の概要・商品要件」より
将来の供給力を支え、
安定収益を確保する
収益獲得手段③ 容量市場
容量市場は、将来(4年後)に必要となる電力の供給力(kW)をあらかじめ確保するための市場です。
電力の需要が増加した場合でも、安定した電力供給を維持することを目的としています。
系統用蓄電池は、その設備能力を活用して容量市場に参加し、4年後に一定の供給力を提供することを約束することで対価を得ます。
将来の供給力があらかじめ取引されるため、設備投資にかかる費用回収の見通しを立てやすくなります。
供給力が安定的に確保されることで、電力取引価格の安定化や電気料金の安定にもつながります。
将来の供給力を確保する「容量市場」の仕組み

ワンポイント解説|DR(デマンドレスポンス)とは
DR(デマンドレスポンス)とは、電力需給がひっ迫した際に、電力の供給または需要を調整することで電力系統の安定を維持する仕組みです。
系統用蓄電池は、必要なタイミングで放電することによりDRの一部として供給力を提供します。
容量市場では、このような将来の供給力をあらかじめ確保する仕組みが整えられています。
系統用蓄電池事業の取引を行う3つの市場
横にスクロールできます
| スポット市場 (アービトラージ) |
需給調整市場 | 容量市場 | |
|---|---|---|---|
| 概要 | 自社電源とは別に小売事業者などが需要量に合わせkWhを取引する市場です。 | 再生可能エネルギーの予測誤差や需要変動等に対する需給バランス調整を行うために必要な調整力を調達するための市場です。 | 将来的に供給が可能な状態にできる電源(kW)を募集します。これはオークション方式でおこなわれ、価格が安い順に落札されます。 |
| 取引内容 | 市場の安値のコマで充電し高値のコマで放電することで収益を得ます。 | 周波数調整や需給調整を行うための調整力を「ΔkW価値」および「kWh価値」として取引することで収益を得る取引条件は商品ごとになります。 | 将来の供給力を「kW価値」として取引することで収益を得ることができます。年間発動回数は約12回、指令応動は3時間、発動後の継続時間は3時間が条件です。 |
| 補足 | 入札条件が比較的に低いあらゆる市場と併用しやすい | 現状、収益が一番見込める市場です。アグリゲータの運営方法によって大きく収益が変わります。 良い条件でいかに約定回数を増やすことができるかがポイントです。 |
実取引の4年前にメインオークションが実施されるため、市場参入時期が遅くなる可能性がある。発動タイミングが直前まで分からないため、機会損失やペナルティによる影響を受けやすい |
- 短期収益⇐スポット市場
- 調整力収益⇐需給調整市場
- 中長期安定収益⇐容量市場
系統用蓄電池は、これら複数の市場に柔軟に参加することで、収益機会の分散と安定化を同時に実現できます。
遊休地を活かして、安定的なエネルギー収益を
系統用蓄電池を活用することで、これまで使われていなかった遊休地を
安定的なエネルギー収益を生み出す事業用地へ転換できます。
電力需給の調整や再生可能エネルギーの有効活用を通じて、
環境への貢献と収益性の両立を実現します。

※土地の条件や事業可否について、まずは簡易的なご相談から承ります。
お気軽にお問い合わせください。
系統用蓄電池 導入までの流れ
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1事業用地の確認・選定
事業用地に適した土地を探します。
用地をすでに保有されている場合には、事業用地として適しているか調査します -
2電力会社との事前協議
電力系統の空き容量があるか確認いたします。
土地所有者や隣接地所有者への交渉や説明会を開催します。 -
3接続検討の申込み
電力系統に空きがあった場合、電力会社に接続検討を申し入れます。
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4事業用地の確保・開発
系統費用や土地確保に係る費用等の条件が整ったら土地を確保し、事業用地として開発します
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5設計・設備設置工事
系統用蓄電池の選定・調達・設計・施工および電力会社等への申請を行います。活用できる補助金の提案から申請サポートもいたします
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6運用開始・保守メンテナンス
収益を最大化運用できるよう設置地域に適した『アグリゲーター』をご紹介します。
突然の故障や不具合による損失を防ぐため、メンテナンスが欠かせません。
上記の各工程について、用地検討から設計・施工、運用開始後の保守まで当社グループにて一貫してサポートいたします。
※導入スケジュールや対応範囲は、立地条件や電力会社との協議内容により異なります。
系統用蓄電池 事業用地の主な選定ポイント
-
2,000㎡以上
(約600坪)
の広さがあること -
民家と隣接
していないこと
※50~100m程の離隔が必要 -
ハザードマップ上で
災害リスク地と
なっていないこと
※水害・土砂災害 -
電柱が
近くに設置されて
いること
※土地条件や系統状況により、事業化の可否やスキームは個別に異なります。
上記はあくまで目安です。
条件に不安がある場合でも、まずはお気軽にご相談ください。
系統用蓄電池事業の現状と、これからの成長性
系統用蓄電池は、再生可能エネルギーの拡大と電力需給の高度化を背景に、国内外で導入が急速に進んでいる分野です。
国内で急増する系統用蓄電池の導入
系統用蓄電池の接続検討・接続契約の件数は、直近1年間で約3倍と急増しています。
系統用蓄電池は、再生可能エネルギーの拡大や電力需給調整の必要性の高まりを背景に、今後も導入が進むことが見込まれています。
2030年に向けた導入拡大の見通し
2023年の実績を参考にした国内における2030年の系統用蓄電池の導入量は、約14.1〜23.8GWhと見込まれています。
また国際的にも、定置用蓄電池の導入は拡大しており、蓄電池を含む世界全体のエネルギー貯蔵能力は、2030年には2023年の約6倍に増加すると試算されています。
接続検討・契約件数から見る市場の加速
系統用蓄電池の接続検討・接続契約の受付状況を見ると、接続検討受付は約4,000万kW、契約申込みは約330万kWに達しています。
これらの数値は、2023年5月末時点と比較して約3倍に増加しており、市場が本格的な拡大局面に入っていることが分かります。


系統用蓄電池事業は、市場拡大とともに参入が進む一方で、用地確保や系統接続を含めた事前検討が重要となる事業です。
将来を見据えた事業検討として、早期の情報収集・検討が求められています。